営業・マーケ担当がITパスポートを取得して感じたメリット

更新日:4月29日



PR会社(広報代理店)で7年間働いていたITのバックグラウンドが乏しい筆者が、技術商社の営業・マーケティングに転職した後、国家資格でもあるITパスポート(iパス)を取得したことでどのようなメリットを得られたかを紹介します。


ITパスポートとは】

「iパス」はITに関する基礎知識を問う国家試験です。IT化された社会で働くすべての方に必要な基礎的知識を証明できます。<引用:https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html>


◆ 前職と転職先での仕事内容
◆ 営業が身に着けるべきIT知識レベルIT知識レベル
◆ iパス勉強で「?」の回数は減少
◆ 30代、40代からiパス取得は遅いか
◆ iパス取得は無意味か 


【前職と転職先での仕事内容】


前職では外資系エンタープライズ(B2B向け)IT製品の広報を請け負う広報代理店2社で計7年間働いていました。


具体的な業務内容としては、取材や記者会見のアレンジ、プレスリリースの翻訳、展示会のイベントサポートなど多岐にわたります。


ミドルウェア製品やネットワークスイッチ製品からサイバーセキュリティ、無線技術など幅広くサポートして来ました。


「いやいやITのバックグラウンドあるじゃん」


と思われる方もいらっしゃると思いますが、担当していたクライアントの広報サポートしていたPRの仕事と実際に自分で製品を販売プロモーションする営業では求められる知識レベルは天と地ほど違います


ひょんなことから社員10人ほど、計測器の輸入販売を行う知人の会社に転職をし、2020年より営業・マーケティング業務を担当しました。7:3で営業がメインですが、展示会や新製品発表の際はマーケティング業務に比重を置いています。


【営業が身に着けるべきIT知識レベル】


さて転職後にやはりというべきか、まずつまづいたのは製品機能の勉強と商習慣の違いです。後者は別の機会に紹介するとして、前者についてベースとなる体系的なIT知識が原因でした。


当たり前ですがどんなことにも知識のベースがないと、応用である製品知識や商品のメリットもさっぱりわかりません。


製品を除いて営業が知っておかないといけないITベースの知識は「規格トレンド」、「技術識」があると感じました。


平たくいえば規格トレンドは基礎技術がどのように進化していくかの展望、技術知識は製品を理解するための基礎です。


◆ 規格トレンドとは

私たちが普段使用するUSBBluetooth技術の設計には、USB IFBluetooth SIGという業界団体が規格のアップデートやロゴの認証に取り組んでいます。


今では当たり前のように使われるBluetooth技術規格ですが2010年低消費電力版のBLEBluetooth Low Energy)の仕様が策定されたり、スマートフォンが登場するまでは不遇の時代がありました。


これら社会的インフラとなっている技術規格は、それぞれの業界団体の情報発信を常にウォッチしておくことで、その技術をベースとしてどのような製品が売れるか朧気ながらも動向が見えてくるようになります。



◆ 技術知識とは

「この変換機は物理層(PHY)の変換をしていて.....」、「この製品はレイヤー2スイッチで、この製品はレイヤー1スイッチで....」


転職後に製品説明を受けたときはさっぱりわかりませんでした。それはコンピュータやネットワークの基本的な仕組みが分かっていなかったためです。


普段から使っているパソコン、スマートフォンを取ってもどのような構成で機能しているかを普段から意識して勉強していれば上記の用語はある程度理解できたでしょう。


iパスでは上記の点を浅くはありますが網羅しています。

テストはストラテジ系、テクノロジ系、マネジメント系の3つの構成になっています。私の業種ではテクノロジ系・ストラテジ系が特に有用でした。


試験内容については公式HPで詳述していますので参考にしてみてください。


ITパスポート試験内容・出題範囲

https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html



【iパス勉強で「?」の回数が減少】


会社で製品勉強をしながらiパスを勉強することで製品理解が進みました。

またニュースサイトで新技術・新製品のニュース情報を見ても全くわからないことは少なくなった気がします。


では劇的に技術がわかるようになったかというとそんなことはありません

技術的に踏み込んだ議論や言語の話になった時はさっぱりわからないことが多くあります。この辺りが基礎勉強であるiパスの限界だと思います。



【30代、40代からiパス取得は遅い?】


令和3年度の受験者は20代が46%を占めています。30歳以上が42%であることを考えると20代が約半分を占めているので社会人のエントリー向けの試験となっていると言えそうです。


しかし、今の20代と30代・40代ではITの当時の必要性や社会背景も異なりますし、そもそも試験の知名度も当時とは大幅に違いますので「20代の若い人がやる試験だ」と避ける必要はありません。


むしろ初学者向けの試験であるなら、これからITと縁遠かった30代以上の世代には絶好のテストとなると思います。


【iパス取得は無意味か】


資格には役に立つ・役に立たない論争は常について回りますが、ITパスポートにおいてもはっきり言って取得する人の属性(年齢、業界歴、職種)によるとしか言えません。


例えばIT業界ですでに10年ほどの経験あるセールスエンジニアの中堅が「俺、ITパスポートとったんですよー!難しかったなぁ」と話していたら、これまで相当勉強をしていなかったのでしょう。この資格が転職活動に役立つ可能性はないと思います。


では他業界からの未経験でIT営業に転職希望する候補者だったらどうでしょうか。

採用側からしたら「最低限の体系的な知識を持っているし、勉強する意思もある」と認識できると思います。


現に令和3年度の受験者層は非IT系企業の受験者が78%を占めています。


ITパスポートの取得を奨励している企業は相当数いますので、もし志望する会社が奨励企業であればマッチング率は上がります。


 ◆ 情報処理推進機構HPITパスポートの活用事例

 https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/example.html


したがってITパスポートを無駄かどうかは取得する人の属性、さらには所属している会社や転職先に大きく寄ると思われます。


もうひとつTOEICで例えてみましょう。

ITパスポート取得無意味論争はTOEICの500点・600点に意味はあるかという議論に似ています。


海外とバリバリコミュニケーションする部署の社員がTOEIC500点では頼りなく見えますしおそらく業務にも支障がでてくる可能性は高いと思います。


しかし、メール文書の理解や簡単な作文であれば500点あれば機械翻訳などを組み合わせれば仕事は何とかなるものです。


自分の職種を鑑みながら必要な知識レベルを把握することで、その後に実際取得をするかどうかを検討しましょう。


◆ 最後に:勉強方法と活用した書籍


自身の現状のレベルを把握するために一度過去問を解くことをおススメします。IT業界にいなくても回答できる問題は数問あると思いますので、自分が理解できているポイントから知識を広げていくと抵抗なく勉強に入り込めるはずです。


既に知っているということはその知識を身に着ける必要性が高かったこと、もしくはもともと関心が高かったことが多いと思います。そこから知識を広げていきましょう。


テキストは1-2冊自分に合ったものを探し、あとはひたすら過去問をこなして間違えた問題をインターネットで調べて理解していくスタイルで問題なく合格できると思います。

Kindle Unlimitedに加入している方であれば、ITパスポートのテキストだけでなくネットワークやコンピュータの基礎に関する書籍も目を通しておくと理解が深まります。


◆この1冊で合格 丸山紀代のITパスポートテキスト&問題

カラーで見やすい。章ごとに確認(過去)問題が入っているので覚えるべきポイントがわかる。過去問を一度解いた後にさらっと読むと頭に入りやすいと思います。


◆ 過去問

情報処理推進機構はITパスポートの過去問と解答を公開しています。新しい試験を中心に問題をこなしていき傾向とよくでる範囲を把握しておくのが有効です。

https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/openinfo/questions.html

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